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可愛いヒモの育て方。
第6章 いざ、温泉旅行へ!

 麻人を休憩させたい気持ちもあったし、しゃべりすぎて喉が渇いているのも本当だ。

「はーい」

 麻人は頷いて、ちょうど通りかかったパーキングに車を向けた。

「そういえば、麻人の車初めて乗る」
「そうでしたっけ? あんま出かけないですもんねー。友梨香さんの車でも良かったんですけど、ナビついてないし、友梨香さんに高速走らせたくないんで」
「……私も高速走りたくない」

 多分、教習以来高速乗ってない。麻人は私の車を運転するのは嫌がるし、私の車にしたら、温泉までの道のりをずっと運転していかなければならなくなるので、今回の選択は正しかったと思う。
 駐車場に車を停め、外に出ると、とにかく寒かった。身を切るような冷たい風に、体が震え上がる。
 どんなに晴天だろうと、まだ二月なので当たり前だ。私は後ろに積んでいたベージュのコートを掴み、慌てて着た。
 二月の平日というのもあって、パーキングの中は空(す)いていた。

「お土産どうしよう」
「お土産とか普通帰りじゃないんすか?」
「あ、見てご当地キャラ特集やってる!」
「もう! ちょこまかちょこまかしないでください!」
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