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可愛いヒモの育て方。
第1章 拘束プレイ

 麻人の手が、私の体から離れる。そのまま頭上で拘束したベルトを外してくれた。

「やめちゃうの?」
「……やめない。でもベルトじゃ手首傷になりそうだし、カーペットの上じゃ汚れるでしょ?」

 確かに。言われてみれば隣にベッドがあるのに、なぜその下で拘束プレイをしなければならないのか疑問だ。
 手首を見ると、傷とまではいかなくても、赤く痕にはなっていた。

「ちょっと冷やしてきなよ」
「……うん」

 痛みはなかったけど、この痕が残ってしまうとまずいので、おとなしく麻人の言葉に従う。
 私は部屋を出て、水道に軽く手を晒した。だけどあまりの冷たさに我慢できず、すぐに引っ込めてしまう。無理無理。真冬に水は冷たすぎる。
 どうせ営業が再開されるのは三日後だし、それまでには消えるだろうと、私は部屋に戻ろうとした。ふいに、思い出す。

「あ!」

 そういえば、拘束プレイをするのにとっておきのものがあった!

「……どしたんすか?」

 私の声が聞こえたのか、部屋からひょっこり顔を覗かせて麻人が尋ねてくる。

「いいもんがあったの!」
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