この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
可愛いヒモの育て方。
第9章 夢

 その名前は、正直予想外だった。だからすぐには反応できなかった。

「……どこで?」

 ようやくそれだけ問い返す。

「ここの近く。偶然見かけて、声をかけてきたのはあっちだった。奥さんと、子供と一緒だったよ」

 結婚、してんだ。
 私をまっすぐに見てくる彩乃から、つい視線をそらした。マサルの顔を思い浮かべようとしたけれど、やはり浮かばない。無理もなかった。マサルは私が高校生の時、たった数ヶ月付き合っただけの男だったんだから。
 デートらしいデートもしたことがない。会うのはいつだってあの男の部屋で、マサルと過ごす時間の大半は、ベッドの中だった。

「……へー」

 笑みが零れる。皮肉げな。マサルと、結婚という言葉が、私の中で上手く噛み合わなかった。

「あいつが一生、一人の女性を愛し続けるなんて芸当、できんのかね。自分を知られることも、誰かを知ることも、嫌ってたくせに」

 結婚、家庭、子供、奥さん。幸せそうなそういう言葉の数々が、私の中のマサルと結びつかなかった。
 彩乃は黙って、私を見つめていた。
/292ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ