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可愛いヒモの育て方。
第10章 目隠し
結局聞きたいことは聞けずに、話題を逸らした。麻人は頷き、ベッドから立ち上がって浴室へと向かった。
その足音をぼんやり聞きながら、私は天井を見つめていた。
麻人の気持ちがどうのの前に、自分の気持ちもよくわからないのだ。あいつの気持ちを確かめて、どうなるのだろう。
――知るのが怖いなら、さらけ出してみなよ。
彩乃の言葉を反芻してみる。
麻人に全てさらけ出して、あいつはそれを受け止めてくれるのだろうか。私の本音を探りたいというのは、本当に本心?
恋愛が面倒で、重い子は苦手と言っていたのに。私の恋愛観は、きっと彼には重たい。彼のことを知ろうとすることも、自分をさらけ出すことも、どちらも怖くて面倒だ。
私は手の甲で目元を覆った。そのままそっと目を閉じた。