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第13章 口移し

「声、ダメですって。彩乃さんにバレますよ？」
「ん、ん」

　わかってる。耳朶に唇を当てながら麻人に囁かれ、私はこくこくと頷いた。
　麻人の体は、私の体にぴったりと密着していた。体温が熱い。頭まですっぽり布団をかぶり、服の隙間から手を差し入れてきた。
　下着越しに胸を揉まれる。甘くアソコが疼いた。私は声を洩らさないよう、唇を噛んだ。
　さらに下着もずらされ、胸の突起を直接つままれる。

「……っ」

　その刺激は強烈で、体がわずかに跳ねた。麻人の胸に顔をうずめ、必死に声を洩らさないよう耐える。だけど麻人の手は乳首から離れず、どうしても腰が揺れるのを止められなかった。

「それ……ばっか、や……」

　息も絶え絶えに、そう抗議するのがやっとだった。

「まだ胸触ってるだけですよ？」
「ふ、んんっ」

　そんなのわかってる。だけど、甘い疼きが全身をめぐり、ぞくぞくした。
　麻人の手に顎を捉えられ、上向かされる。布団の隙間から、わずかに入り込んでくる明かり。麻人の顔はよく見えなかったけど、麻人に私の表情は見えているみたいだった。

「我慢してる顔、なんかそそる」