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第3章 秘密のご褒美

「ちょ、いきなり……」

　首を振り、私の唇から逃れながら、麻人が焦った声をあげる。
　私は構わず肩を押さえ込み、さらに深く口づけた。
　首筋を撫でる。彼の体をまさぐりながら、弱かった背中へと手を移動させた。だんだんと下へくだり、腰に差し掛かると、彼の体がびくんと反応し始める。
　塞いだ唇からも、熱い息を吐き出した。
　ようやく唇を離してやると、すかさず彼が尋ねてくる。

「今日どうしちゃったんすか？　……欲求不満？」

　ここまで性急に求めたこともないので、彼が驚くのも無理ないだろう。
　こうして会話を交わす時間さえ惜しく感じ、私は彼の腰の辺りをじかに触りながら答えた。

「久々に、官能小説書いてたら無性にしたくなっちゃって」
「ああ、それで」
「ちょうどいいとこに来たね。一発させろ」
「いい年した女性のセリフじゃ……ない」

　麻人が息を詰める。腰をさすっていた手を、さらに下に下ろした。ジーンズの中に手を入れ、下着越しに彼の尻を撫でる。
　割れ目の部分に人差し指を当てた。

「どこ触って……っ」
「ここ使ったエッチってしたことある？」