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可愛いヒモの育て方。
第5章 熱

 関心する私に、麻人がチケットを返してくる。

「これ、当日忘れないでくださいね。ないと宿泊代が自腹になっちゃいますから」
「えー、自身ない。麻人が持っててよ」
「……しっかりしてくださいよ、二四歳」

 そう言いながらも、チケットは結局麻人が持っててくれることになった。
 私はまた小説を覗かれないうちにとパソコンを切り、夕飯の準備に取りかかった。準備と言っても、夕飯は麻人が作ってくれたから、テーブルを拭いて、盛り付けて並べるだけ。
 煮物と鯖の味噌煮と、ほうれん草のおひたし。味噌汁とご飯。今日は和だ。

「なんか最近家庭料理のバリエーション増えてきてない?」
「おかげさまで」
「私なんもしてないし」
「……なんもしないから、俺がしてるんでしょうよ」

 いやいや、ご飯作ってとか部屋片付けてとか、最近言ってないし。心の内でそう突っ込みを入れたけど、麻人に夕飯作りや掃除をやめられても困るので、やめておいた。

「ありがとー!」
「誠意がこもってません」
「あ、ありがとうございます」
「ほら、頭も下げて」
「どうもありがとうございますうう!」
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