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曇り空
第5章 暗闇の中で
その後その男の子は
悲しそうな顔をして微笑んだ
…わかる…この目
あなたも
失恋したんだね…
顔は笑っているけど
心は泣いてる
「きっと…またいい恋ができますよ…」
同情により
普段の私なら絶対言わない言葉を発していた
「………」
しまった
そう思った
男の子は私の言葉を聞いて
俯いて黙ってしまった
言わなきゃ良かった…
何故か私も気持ちが沈む
───────…
「杏里さん、お願いします」
これまたいいタイミングで指名が入った
「あ…すみません失礼しますっ」
気まずい雰囲気になり
さっさとその場から立ち去ろうと立ち上がった…