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主な君に逆らえない
第8章 透矢の仕事
目が覚めた私は・・


何故か飛行機の中です


隣ではスーツに身を包み、完璧に整えた透矢が英字の新聞に目を通しています


「・・?・・!!?」


すっかり覚めた目で見る光景は雲の白と海と空の青に反射して輝く太陽の光でした


「おはよ。目覚めた?」

飄々と目線すら合わせずに問われます


おはよう・・なんて軽々しく言える気分とは程遠いです


「あ・・の・・え・・あ・・」

「何?・・あー・・フランスに向かってるだけだ」

そうですか・・


なんて気軽に返せませんっ


なぜ?・・どうして?・・フランス?


固まって、うまく話せない私の唇に軽い口付けをした透矢

ちゅっと軽い音が耳に残ります

「お腹すいたの?」

子供に聞くみたいな口調です


私は首を振ります

シャラっと首に下げられた物に初めて気づきました

天使のモチーフにエメラルドがはめられたペンダントです


「あーそれやる」

「・・・」

ありがとうって言葉すら出てきません


私に着せられた淡いピンクのドレス

胸の下で結ばれた白いレースのリボンが可愛くて

今まで着たどのドレスより好きです


高すぎないヒールの靴も優しくフィットしていて履き心地がいいです


窓に映った私の髪もいつの間にか一つに結われ

ふんわりと巻かれていて

編み込みされた髪もドレスに合っていてとても嬉しいです


よく見ると、うっすらとメイクも施されていました


驚きの連続です
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