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主な君に逆らえない
第4章 title 濡れた女
初めて出る講義に見慣れない生徒

講師も全くの初対面です

私すっかり出遅れてしまっています

皆さん馴染みの方と既に決められたような席に掛けられています

私はどこに座りましょうか?

「天璃矢様!?」

私を見た男子生徒が声をあげました

「え!?うそっ?」

彼に呼応するように部屋がざわめきます

「天璃矢様是非こちらにおかけくださいませ!」

二つに結い上げた女生徒が私を誘いました

「いえっ!ぜひこちらへ!」

「いえっ私の隣を是非っ」

多種多様に矢継ぎ早に誘いを受け、正直困ってしまいます

「諸君!静粛に!天璃矢様が困惑されておる!」

おヒゲを蓄えた60代位の男性講師が一喝しています

ざわめいていた空気が静かになりました

「天璃矢様。是非こちらの席を御利用くたさい」

にこやかに講師が教壇横のテーブルと肘掛け椅子を案内しています

ですが、とても授業を受けるような席には見えません

「御好意深く感謝いたします。・・・ですが、遅れを取った身ですので、こちらの席を利用させて頂きます」

残念そうに眉を寄せた講師ですが、快く私の選んだ席に納得してくださいました

「お隣是非御一緒させて頂いても宜しいでしょうか?」

紳士な微笑みで隣に立つ男子生徒
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