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みなしごの告白
第3章 告白 三

(1)

 やがて、三月になりました。卒業式も終わり、あとは入社を待つだけになりました。同級生の例の彼とは……卒業式の日、お互い何も言葉を交わしませんでした。あの日……処女を失った日のデートで……彼も……なんとなく終わりだということを感じていたんでしょうね。でも私は何も感じませんでした。悲しくも寂しくも……なぜなら、あの日以来、週に一度は常務と食事に行き……車の中で愛していただいたからです。私はすぐに……常務に入れていただくだけで簡単に絶頂を迎えてしまうようになっていました。常務もそれをお喜びで、それがまた私にとって喜びになっていました。
 卒業式が終わってすぐ、常務から電話がありました。いえ、その時は会社の手続きのための連絡でした。秘書という職務の都合上、千葉の実家から通勤に時間がかかるのは業務に支障があるので、会社近くの借り上げ社宅に引っ越すことになったんです。それも、そこそこの良い物件でした。ワンルームマンションなどではなく、私のような小娘にはもったいない、しっかりとした造りの1DKの部屋でした。まだ入社前なのにどうして常務が私にそんな物件をあてがわれることができたのか、どんな名目で手続きされたのかは今でも存じ上げませんが、実際は常務と私とが一緒に居られる場所を確保するため……だったと思います。事実、他の役員秘書で会社近くの借り上げ社宅をあてがわれている者もおりましたので、常務がご自身の権限で私にもそのように取り計らってくださったのでしょう。遠方に越すわけではないので、母もさほど心配することもなく、事は円滑に進みました。早々に引越しを済ませ、その後はもちろん会社に赴いて研修を受けたり、秘書検定を受けるためにいくつかの学校に通わされたりもしましたけど、毎日ではありません。けれど……常務はほぼ毎日、私を迎えに来て私を送り届け……そして抱いていかれました。
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