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毒舌
第9章 均衡
イッちゃんが
私を押し倒して来た。
上から
長い髪がこぼれてきて
私の顔の横に
カーテンを作る。
こんなときでも
イッちゃんの顔は綺麗で
映画か何か
観ているような
そんな気持ちになる。
ゆっくり
近付いてくるそれに
見とれていたら
あっという間に
近すぎて見えない。
合わせた唇が
小さな音をたてた。
どうしていいか
わからないまま
イッちゃんなりに
ゆっくり深くなるキス。
ぎこちないけど
丁寧で
真面目で
思いやりのある
優しいキス。
なんだかふわふわした。