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毒舌
第15章 誤解、発覚、……嵐の海で


「ああ、ごめんなさい?別にそういう意味で言ったんじゃないの。気を悪くしないで?」


先生は
少しだけ酔いの醒めた顔で

ちょっと考えながら言った。


「どう言ったらいいかしら、妄想っていうのはそもそも精神疾患に関する言葉で今は一般に軽々しく使われてるけど、私が言いたいのはそれじゃなくて」

「つまり何だよ」

「実在はしないけれど、その人には実在するも同然の存在があるっていうことよ。頭の中で悪口が聞こえたりとか実際に妄想に苦しんで日常に支障を来している人は少なくないの」


実在はしないけれど
存在はある……?


よくわからないけれど
私は急に不安になった。


私に精神疾患があって

トビっていう
妄想が
生まれたのかもしれない。


先生の言いたいのは
そういうことでしょ?


でも
私には

トビは……


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