この作品は18歳未満閲覧禁止です
毒舌
第16章 試してみない?
そういう問題じゃ
ないんです、
腕に力を込めて
引き剥がそうとした私に
香島さんの囁きが続く。
「慰めたいだけなんだ、黙って見てらんないし」
ボロボロの私には
それはとてつもなく
心地が良くて
どうすれば拒めるのか
わからないほどだった。
「傷付かないで」
半ば願うような呟きのあと
優しい手のひらが
体を這って
私を痺れさせていく。
すぐに火照って
甘えるような
私とは別の私、
弱い私、
癒されたいと
切望する私。
こんなの
私じゃない。