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毒舌
第16章 試してみない?
我慢の限界で
思いきり叫んだ私に
トビも香島さんも
黙りこんでしまった。
ベランダ口に寄り掛かり
ハンディカムを
構えたポーズで先生が
ふぅ、と
紫煙を吐き出す。
「残念だけど、男なんてわりとそんなもんよ?」
「げ、姉貴。……いや、何撮ってんだ」
「……夏の思い出?」
小首を傾げた悪魔に
目の前が真っ暗になった。
「大丈夫?琴美ちゃん。……ちょっと貧血みたいね」
「……もぅ、休みます……」
「そうね?私は直哉をお仕置きしておいてあげるわね」
「よ ろ し く お 願 い し ま す 。」
ザッと青ざめる
香島さんの気配がしたけど
もう知らない。
誰が味方に転がるか
わからないものね、
散々だった。