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毒舌
第19章 ナイト・メア
リップクリームは諦めて
自分の席に戻り
仕事を始めようとした。
でも
二人の会話が
頭の中で
繰り返し聞こえて
ほとんど何も
手につかない。
(このままじゃ給料泥棒だよ)
『わかってんなら働けよ』
口は悪いけど
トビの言い方は
けしてキツくはなかった。
励ましてくれてるのかも。
(ちょっとコーヒーブレイク、)
元気を出さなきゃ。
仕事にもならないし。
給湯室で
自分のためのコーヒーを
少し甘めにいれながら
小さくため息をつく。
お昼ご飯
二人と一緒に
食べる自信ないなぁ。
(……香島さんも、仕事にならないって言ってたもんなぁ。きっとこんな程度のダメージじゃないんだろな)
熱いコーヒーを
ふーふーと
息をかけていたら
湯気が目に入って
だんだんと泣けてきた。