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毒舌
第21章 神の誤算
勝ち誇ったように笑う
退治屋の声が響く中、
トビの姿は
完全に
部屋から消えてしまった。
***
『待ちわびたよ、飛夜叉丸』
暗闇に
淡く光る
童姿の神が一人、
能面のような笑顔を見せた。
『あやかし風情がよくやってくれたね』
『その顔。わだつみ達が何度泣かされたか』
「……知らねえよ」
もともとは
海に巣食う
魚の妖怪だった。
だが
いつの間にか
ぐんぐん力をつけ
神を凌ぐほどの格に
なってしまっていた。
海から空へ
空から陸へ
行動範囲を広げていく
この妖怪を
止められる神も
なかなかいなかった。
「お前らのひがみや逆怨みなんざ興味もねえよ」