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毒舌
第21章 神の誤算
俺はおりょうと
約束を交わした。
***
「トビ!トビ!トビ!」
「うるせぇよ。犬じゃねえんだよ、名前を連呼すんな。だいたい落ちてんじゃねえよ、どんなけどんくさいんだよ」
腕に抱えた
小さな体が
しがみついて叫ぶ。
やっと触れた
初めての再会。
「何で今まで出てきてくれなかったの!?ずっと会いたかったのに!」
俺は
精一杯壊さないよう
手加減をしながら
抱きしめる腕に
そっと力を込めた。
放物線をえがきながら
もとのベランダに
降り立つと
腰を抜かしたままの一華が
口をあんぐり開けていた。