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毒舌
第23章 失態!
「一応、これ以上嫌われたくないしね」
冗談めかして言う
香島さんは
前に比べて
気持ちに余裕が伺えた。
本当に
眠たいだけかも
しれないけど。
私がおずおずと
ベッドに戻ると
香島さんは
いい子いい子と
変に子ども扱いしてくる。
「すっげ嬉し」
「?」
「琴美ちゃんが目の前にいることとか、ちょっとでも信頼してくれるとか、こんなふうに一緒に寝れるとか。それだけでわりかしすごいことなんだよね」
しみじみと言う香島さんに
私は首を傾げた。
「女の子なんてちょっと口説けば皆すぐに手に入るとか思ってたから。琴美ちゃんは違ってた……俺には衝撃的。でもおかげで普通の感覚になれたかも」
「モテモテなんだから、別に普通の感覚なんて必要なさそうなのに……?」
喜ぶポイントなのかしら。
でも
すごく近くで
香島さんは
嬉しそうにしてる。
「小さなことでさえすごく嬉しく思えるなんて、よほど幸せじゃん」
そう言ってから
言い直す。
「いや、気付かなかっただけで実は小さくなかったんだよ。大きなことだったんだ。それに気付けるからこそ幸せなんだな」
「おやすみなさい」
よくわかんなくて
私は目を閉じた。
もう寝ちゃおう。