この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
毒舌
第23章 失態!
『ったく。しょうがねえ奴だな』
トビの独り言に
香島の手が
ふと止まる。
「――誰?」
『ああ?俺の声が聞こえてんのかよ』
穏やかだった顔が
たちまち
ギクリと引き締まる。
確かに
トビの声は届いた。
軽く身を起こし
眠ったままの琴美の睫毛を
まじまじと見る。
「……琴美ちゃんの中にいるっていう妖怪?」
人の声が音として
鼓膜に届いた感じでは
なかった。
信じがたいことだが
まず頭に浮かんだ。
『うちの馬鹿が世話んなった』
ふてぶてしい、
それが第一印象。