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毒舌
第27章 大禍時/後編
おりょうは
立ち止まると
ゆっくり
男を振り返った。
静かな眼で語る
――お前は何をしに来た――
「これが。『妖怪』でございます。」
緊張で霞む目が
チカチカと瞬かせる、
故に
おりょうの声色さえ
今日はやけに
ねっとりと聞こえた。
男を恐怖が支配する。
「申し上げました。都には妖怪が棲まうのだと。貴方様は疑い、私は証明を」
「も、もうよい!早く戻れ!」
おりょうのすぐ後ろまで
妖しい影は迫っていた。
男の足はすくみ
おりょうの元へはいけない。