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毒舌
第34章 昇華
「もっと早く助けられたら良かったんだが……思いの外手こずった」
ふわふわと
指の背で
肌をくすぐるトビが
珍しく
ションボリした声を
出してる気がした。
そんなこと
もうどうでもいいのに。
こうして今
トビといるんだから
今までの嫌なことなんて
吹き飛んじゃったよ。
そんなこと言ったら
げんきんなやつ、って
言われちゃうかな。
「トビ、……だいすき」
私から
小さくキスをして
ぎゅ、て抱き締めた。
胸が
ウズウズして仕方ない。
鋭利な爪の心配がなくなって
トビの指は
今まで出来なかったぶんを
取り戻すように
私の肌を撫でる。
気持ちいい。