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出会いは必然に
第1章 きっかけは偶然に
「あ~あ」

そんな声にハッとして声の方を見ると
しょうがないな。という顔をしてお隣さんが立っていた。
それでも何も言えない私に

「管理人室にほうきがあるから塵とりと持っておいで」

とエントランスの中の管理人室を指差した。
「え・・・でも時間・・・」
残業しての帰宅時間は10時を過ぎているはずだ。

「管理人さんはまだ起きてるよ。言えば貸してくれるから」

ほらほら。と促されて借りに行ったら
すんなりと貸してくれた。

もういないかな?と思ったのに
私が借りてくるまでお隣さんはそこにいて
私が掃くのを見ていたんだけど
ため息をつくと
「貸して」と言ってほうきで器用にご飯粒とおかずをかき集めてくれた。

器用だな。

と思って見ているうちに全てがすっかり綺麗になっていた。

「あ!」

「なに?」

これ以上なんだよ?
とでも言うように片方の眉毛をあげた顔が
街灯に映えていい顔だった。

今日はサングラスしてないんだ?
ううん。頭に乗っかってる。
あ・・・ぁ。
掃除をするときによく見えるように外してくれたんだ。

「なに?」

じっと顔を見ていると、なんだよ?と言うように
もう一度片方の眉をあげた。

この顔好きだな。




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