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執事とお嬢様の禁断の模様
第5章 繋がらぬ想い
ガタッ
「っ…! お嬢様…!?」
勢いでイスから立ち上がった私。
違和感を感じて、そっと頬に触れる。
「…あ……」
ポロ…
気がつくと、涙が頬を濡らしていた。
「妃奈浬お嬢様っ…」
「……っ…」
秀一は私の涙を拭おうとしたのか、
指を私の顔に近づける。
パシンッ…
「……っ!」
私は秀一の手をはたいた。
秀一は傷ついたように顔を歪める。
はたかれた手は行き場もなく、
ゆっくりと下に下りていく。
それを見て、胸に微かな痛みが走る。
ああ…あのときと同じだ。