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執事とお嬢様の禁断の模様
第5章 繋がらぬ想い
ジリリリリリリリリ…
頭の中でなにやら、うるさい音が鳴る。
私はうっすら目を開けて、ぼぅっとその音を聞いた。
なんだ、目覚ましの音か…
私はおもむろに起き上がり、
目覚まし時計のアラームを止めた。
「ふぅ……」
身体がだるい……
床に就いたのはいつもより早かった
のに、まるで寝た気がしない。
<私達……別れよう>
「………」
思い出してしまい、掌で顔を覆う。
なぜ、妃奈浬はあんなことを言ったのか……
<っ…私、もう秀一の恋人としては、いられないのっ……>
「………」
涙で濡れた、妃奈浬の顔。
あまりにも痛々しくて、見ている私の胸が痛んだ。
…妃奈浬の様子は、明らかにおかしかった。
言われたときは、あまりに突然で考える暇もなかったが…
心なしか、私を求めているように見えた。
それが気のせいでは…ないといいのだが。
しかし…これからずっと…
自由に触れられないのか……?
それはかなり……辛い、な。
耐えられるか、私……
私は不安が募る中、ベッドから下りて仕度を始めた。