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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第13章 第一部第三話【戀月桜~こいつきざくら~】 龍馬という男
小紅は首を振った。
「いいえ、違います。坂本さまがあまりにお優しいので、嬉しくて涙が出たのです。本当に申し訳ございません。ご無礼を致しました」
「無礼なんて思うたりはしてないが、本当に大丈夫か?」
まだ案じ顔の龍馬に、小紅は無理に笑って見せる。まだ涙の滴を宿した瞳で微笑む小紅を見て、龍馬が眩しいものでも見たかのように眼をまたたかせた。
「泣いている場合ではないですね。こんなときこそ、元気を出さねば」
「いいえ、違います。坂本さまがあまりにお優しいので、嬉しくて涙が出たのです。本当に申し訳ございません。ご無礼を致しました」
「無礼なんて思うたりはしてないが、本当に大丈夫か?」
まだ案じ顔の龍馬に、小紅は無理に笑って見せる。まだ涙の滴を宿した瞳で微笑む小紅を見て、龍馬が眩しいものでも見たかのように眼をまたたかせた。
「泣いている場合ではないですね。こんなときこそ、元気を出さねば」