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第13章 第一部第三話【戀月桜～こいつきざくら～】　龍馬という男

　今度は即座に龍馬は頷いた。
「そうじゃ。名前は乙女いうて、ほんに女らしい楚々とした名前じゃけんど、この乙女姉上というのが実に剛胆なおなごなんじゃ。嫁に行くまで、男勝りで大の男相手に薙刀を振り回してばかりおった」
　小紅が笑った。
「武勇に優れた姉上さまなのですね」
　ふと龍馬が呟いた。
「俺の故郷は土佐じゃ」
「土佐―。土佐藩といえば、山之内さまがお殿さまの」