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第14章 第一部・第三話【戀月桜～こいつきざくら～】　熾火（おきび）

　自らの才能の限界を知ってなお、その世界で生き続けていくことは難しい。しかし、真からその道を進みたいと願い、その仕事が心底から好きならば、人はしばらくは遠ざかったとしても、また帰っていくはずだ。
　何故なら、その道を進むことで名声を得たいわけでもなく、金儲けをしたいわけでもないから。ただ、その道を進むことが自分の生きている証、つまりは生きることそのものだから。