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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第14章 第一部・第三話【戀月桜~こいつきざくら~】 熾火(おきび)
「俺はおまんの素性については何ちゃ聞いておらんけんど、今の話で大体察しはついた。良い大の男が何を甘えたことを言うとんのや。小紅どのの言うとおりじゃ。大坂に行ったって、おまんさんの気持ちがしゃんとせん限りは何ちゃ変わらんぜよ。ましてや、現実から逃げるために盗品やご禁制品の売買に手を貸すなんちゃ、愚の骨頂いうもんじゃなかかい。
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