この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第14章 第一部・第三話【戀月桜~こいつきざくら~】 熾火(おきび)
「小紅どの、顔が紅いぞ。どないしたきぃにのぅ」
と、おもむろに手を伸ばし、額に触れる。ところが、不思議なことに、龍馬の手が触れても、いつもの男性不信からくる拒絶反応は起きなかった。栄佐に対してですら起こるはずのものが、この男にだけは起こらないというのも小紅自身ですら信じられないことではあったけれど。
「熱はないようじゃけん」
龍馬は小紅にいつものように親しげな笑みを浮かべ、安心させるように頷いて見せた。
と、おもむろに手を伸ばし、額に触れる。ところが、不思議なことに、龍馬の手が触れても、いつもの男性不信からくる拒絶反応は起きなかった。栄佐に対してですら起こるはずのものが、この男にだけは起こらないというのも小紅自身ですら信じられないことではあったけれど。
「熱はないようじゃけん」
龍馬は小紅にいつものように親しげな笑みを浮かべ、安心させるように頷いて見せた。