この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第16章 【戀月桜~つきこいざくら~】決着~安政六年四月五日宗徳寺
龍馬はそれまでの深刻な表情はどこへやら、破顔して栄佐の肩を叩いた。
―小紅どのを幸せにしてやってくれ。これは男と男の約束じゃ。もし、おまんが小紅どのを泣かせたりしたら、俺は土佐から駆けつけて、小紅どのを攫うてゆくけんの。
栄佐は龍馬の顔を真正面から見据えた。澄み渡った夜空のような眼をした男がそこにいた。良い瞳をした男だ、滅多に他人を認めない栄佐がこの時、心底から思った。
―小紅どのを幸せにしてやってくれ。これは男と男の約束じゃ。もし、おまんが小紅どのを泣かせたりしたら、俺は土佐から駆けつけて、小紅どのを攫うてゆくけんの。
栄佐は龍馬の顔を真正面から見据えた。澄み渡った夜空のような眼をした男がそこにいた。良い瞳をした男だ、滅多に他人を認めない栄佐がこの時、心底から思った。