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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第16章 【戀月桜~つきこいざくら~】決着~安政六年四月五日宗徳寺
栄佐は龍馬の仕種を真似るように手のひらを左胸に当てた。
「良かった、良かった、栄佐さん」
小紅の瞳に熱いものが溢れた。
「泣くなよ。俺はお前をいつも泣かせてばかりだ。誰よりも幸せにする守ってやりたいと願うのに、俺が実際してることといやァ、お前を哀しませてばかりだからな。坂本どのにもしっかり釘を刺されたよ。お前を泣かせるようなことがあったら、土佐から攫いにくるとよ」