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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第20章 第二部・第四話【悲願花~女になった男~】 定命
一年前、初めて彼に抱かれた時、無理に押し開かれ貫かれた破瓜の痛みとももちろん違うし、その後、彼が小紅の身体を気遣いながらも、ゆっくりと腰を動かしていたときに感じた、痛みと恥ずかしさに引き裂かれるような居たたまれない気持ちとも違う―。
深く交わったといえば、一年前に身体を重ねたときしかない。でも、たった今、髪に触れられ、首筋を舐められたときに感じた想いはむろん痛みなどではなく、嫌悪感とも違う、もっと別の何かだった。思わず背筋がゾクリとするような快感。
深く交わったといえば、一年前に身体を重ねたときしかない。でも、たった今、髪に触れられ、首筋を舐められたときに感じた想いはむろん痛みなどではなく、嫌悪感とも違う、もっと別の何かだった。思わず背筋がゾクリとするような快感。