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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜
いっそう声の調子を落として囁き声になると、お琴は小さく頷いた。
「真でございますよ。亡くなられたお内儀さんは旦那さまに嫁がれる前、大和屋という小さな絵双紙問屋に嫁がれておりましてね。そこで赤ちゃんをお生みなすったんですが、そちらの旦那さまが早くにお亡くなりになったんです。お子さまがまだ生後半年にもならない頃のことだったとお聞きしました」
「それでは、準平さんはお内儀さんの連れ子ということになるのね」
「真でございますよ。亡くなられたお内儀さんは旦那さまに嫁がれる前、大和屋という小さな絵双紙問屋に嫁がれておりましてね。そこで赤ちゃんをお生みなすったんですが、そちらの旦那さまが早くにお亡くなりになったんです。お子さまがまだ生後半年にもならない頃のことだったとお聞きしました」
「それでは、準平さんはお内儀さんの連れ子ということになるのね」