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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜
「でも、私は違うの! 叔父さまが好き。自分でもやっと気づいたけれど、私は子どもの頃からずっと叔父さまを好きだった。それは親戚の叔父に対する気持ちとは違うわ」
「小紅ちゃん、それはきっと血の繋がった叔父への親愛の情を男女の情と勘違いしているだけだ」
「はぐらかさないで。私だって、小さな子どもじゃない。自分の気持ちくらい、ちゃんと判る。現に、叔父さまを好きだっていうことも、今、気づいたんだもの」