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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜
「本来なら、倅に嫁ぐと決まっているお前にこんなことを言ってはいけないのかもしれないが、今、お前に伝えておかなければ、取り返しのつかないような気がしてね。私の言う好きなのは、姪としてではない。もちろん、一人の女として小紅を求めているということなんだよ」
小紅は息を呑んだ。叔父さまが私を好き? それでは両想いなのか。だが、実ったばかりの初恋は無残に砕け散る運命にあることも判っていた。