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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜
「おやすみなさい」
いつものように姪として挨拶すると、叔父からも〝おやすみ〟と優しいけれど、それ以上は踏み込ませないような声音が返ってくる。
これで良かったのだ。もし二人が激情に流されて一夜を共にしてしまったら―。恐らく叔父の恐れるような事態になってしまうだろう。準平がどうなろうと自業自得だが、優しい叔父が後々まで苦しむ様は見たくない。また、自分と結ばれたことを叔父に後悔はして欲しくない。