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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第25章 第二部・第六話【春咲く花】 再会
そのおうめが茶店から一部始終を見ていて、慌て桜団子を買って帰ったばかりの栄佐を追いかけ呼び戻してきたのである。
「まったく運が良かったとしか言い様がねえ。もし、俺があの時間にここに来てなけりゃ、お前は今頃」
栄佐は小紅を抱きしめて呟いた。襲われそうになった小紅よりも栄佐の身体や声の方が震えていた。
「良いか、これからは昼間でも一人で出歩いちゃならねえぞ。どこか行くときは俺に言え。必ずついていってやるから」
「まったく運が良かったとしか言い様がねえ。もし、俺があの時間にここに来てなけりゃ、お前は今頃」
栄佐は小紅を抱きしめて呟いた。襲われそうになった小紅よりも栄佐の身体や声の方が震えていた。
「良いか、これからは昼間でも一人で出歩いちゃならねえぞ。どこか行くときは俺に言え。必ずついていってやるから」