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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第3章 【残り菊~小紅と碧天~】 旅立ち
武平と以前のように屈託なく喋れないのは淋しいが、同じ家に住んでいるのだ。逢おうとは思えば、いつでも逢える。そう思うことが、今の小紅を辛うじて支えていた。
二人の間には、今や一触即発、ともすれば一挙に燃え上がりそうな焔がくすぶっている。しかし、それもやがては時が解決してくれるはずだ。刻が経てば、武平と自分はまた以前のように仲の良い叔父と姪の関係に戻るだろう。それまでは武平が無言で示しているように、近づきすぎない方が良いのだ。
二人の間には、今や一触即発、ともすれば一挙に燃え上がりそうな焔がくすぶっている。しかし、それもやがては時が解決してくれるはずだ。刻が経てば、武平と自分はまた以前のように仲の良い叔父と姪の関係に戻るだろう。それまでは武平が無言で示しているように、近づきすぎない方が良いのだ。