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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第27章 第二部・第六話【春咲く花】 逢瀬
この日、二人は殆ど途切れることなく膚を合わせ、小紅は大きな絶頂を味わった。気持ちの高まりと身体の昂ぶりが結びついているのだろう。一年前、栄佐に手籠めに近い形で初めて抱かれたときはあれほど痛みと哀しみしかなったのに、今は彼に少し触れられただけで、身体の芯に火が点ってしまう。
私の居場所はあなたの隣しかない。小紅は改めて思った。彼の側で生きていくためには、小紅がすべてを棄て諦めるしかない。