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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第3章 【残り菊~小紅と碧天~】 旅立ち
準平の眼は怖いほど真剣だった。その瞳に嘘はないことは小紅にも判る。けれど、かといって、好きでもない男にこの場で身を任せろと言われて、素直に従えるはずもない。第一、彼の求愛は、あまりにも一方的すぎる。
これでは、ただ自分の想いを押しつけているだけだ。
「ごめんなさい。あなたの気持ちはありがたいとは思うけど、私には無理だわ」
「どうして? 好きな男でもいる?」
「好きな男なんて、いない。でも、私は」
これでは、ただ自分の想いを押しつけているだけだ。
「ごめんなさい。あなたの気持ちはありがたいとは思うけど、私には無理だわ」
「どうして? 好きな男でもいる?」
「好きな男なんて、いない。でも、私は」