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第8章 第一部・第二話【赤とんぼ～小紅と碧天～】　すれ違い

「私にはお芝居のことなんて難しすぎて、てんで判らないけど、私は芝居をしているときの栄佐さんて素敵だと思う。舞台に上がってるときの栄佐さんは何ていうかキラキラして、輝いてて、私は大好き。だから、ずっと舞台で芝居やってる栄佐さんを見ていたいと思うんだけどな」
　栄佐の精神が不安定になっているだけに、今、迂闊なことを言えば逆効果になる。小紅は慎重に言葉を選びつつ言った。