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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第8章 第一部・第二話【赤とんぼ~小紅と碧天~】 すれ違い
「どうだい、ちょいと今、呑んで酔っぱらいたい気分なんだが、一人酒はどうも辛気くさくて、いけねえ。お前さんたちが付き合っちゃくれねえか? もちろん、全部、俺が奢るぜ。深川辺りで盛大にやろうじゃねえか。肩すり合うも多生の縁ってな」
「それを言うなら、袖すり合うもだろ」
と、長身の男が呟き、栄佐は呆気に取られている小男の背中を盛大に叩き、長身の男を引っ張りながら半分自棄になって叫んだ。
「酒でも肴でも何でも好きなものをやってくれ。ケチ臭ぇことは言わねえ。何でも奢ってやる」
「それを言うなら、袖すり合うもだろ」
と、長身の男が呟き、栄佐は呆気に取られている小男の背中を盛大に叩き、長身の男を引っ張りながら半分自棄になって叫んだ。
「酒でも肴でも何でも好きなものをやってくれ。ケチ臭ぇことは言わねえ。何でも奢ってやる」