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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第9章 第一部・第二話【赤とんぼ~小紅と碧天~】 嫉妬
「ホウ、お前は虫も殺さねえような可愛い面して、とんだあばずれだな」
あまりにも酷い侮蔑の言葉に、小紅は一瞬、固まった。
「酷い、何で栄佐さんがそんなことを言うの? 私が何をしたって」
「どうしても知らぬ存ぜぬを通すつもりなら、俺が代わりに応えてやろう。小紅、お前は今日の昼間、随明寺に行ったんじゃねえのか。参詣したかどうかまでは知らないが、確かに茶店にはいただろう。それも俺が見たこともねえ見映の良い若え男と一緒にな」
あまりにも酷い侮蔑の言葉に、小紅は一瞬、固まった。
「酷い、何で栄佐さんがそんなことを言うの? 私が何をしたって」
「どうしても知らぬ存ぜぬを通すつもりなら、俺が代わりに応えてやろう。小紅、お前は今日の昼間、随明寺に行ったんじゃねえのか。参詣したかどうかまでは知らないが、確かに茶店にはいただろう。それも俺が見たこともねえ見映の良い若え男と一緒にな」