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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第9章 第一部・第二話【赤とんぼ~小紅と碧天~】 嫉妬
しかし、栄佐はまるで人が変わったかのように冷徹だった。嫌がる小紅には頓着せず、腰紐もすべて解き、着物を剥ぎ取った。あまりにも暴れたため、お気に入りの薄紅色に紅で花と蝶が描かれた着物はあちこちが綻び、片袖も引き裂かれた。
着物の下は長襦袢だ。むろん、それも紐できっちりと結んでいるけれど、栄佐の手は無情にもその紐にもかかった。
「いやぁ、いやっ。助けて。助けてえ、誰か、来て! 助けて」
着物の下は長襦袢だ。むろん、それも紐できっちりと結んでいるけれど、栄佐の手は無情にもその紐にもかかった。
「いやぁ、いやっ。助けて。助けてえ、誰か、来て! 助けて」