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第9章 第一部・第二話【赤とんぼ～小紅と碧天～】　嫉妬

「小紅、落ち着いてくれ。嫉妬に駆られてお前に酷えことをしてしまったのは謝る。だが、順序が逆になっただけだと考えちゃくれねえか？　お前も俺が良いと思っていたのなら、俺たちはいずれ祝言を挙げることになっただろう。だから、仲人は大家さんにでも頼んですぐに祝言を挙げちまおう」
　栄佐がとりなすように言うのへ、小紅は語気も鋭く言った。
「私は栄佐さんと祝言は挙げないわ。もう、男の人なんていや。誰も信じない」