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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第9章 第一部・第二話【赤とんぼ~小紅と碧天~】 嫉妬
更に、小紅は武平の義理の息子準平と祝言を挙げるはずだったこと、準平に手籠めにされかけたことまでを包み隠さず打ち明けた。
話を聞いた市兵衛は憤懣やる方なしに言った。
「難波屋の主人といえば、あそこも去年、先代が急に亡くなられて代替わりしたばかりだな。私も他人のことは言えない若造だが、向こうはまだ十六だという。その歳で身代を背負うのはさぞ大変だろうと同情していたが、そんな好色で恥知らずな奴だったのか!」
話を聞いた市兵衛は憤懣やる方なしに言った。
「難波屋の主人といえば、あそこも去年、先代が急に亡くなられて代替わりしたばかりだな。私も他人のことは言えない若造だが、向こうはまだ十六だという。その歳で身代を背負うのはさぞ大変だろうと同情していたが、そんな好色で恥知らずな奴だったのか!」