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第10章 第一部・第二話【赤とんぼ～小紅と碧天～】　心の嵐

―小紅、お前はいつだって自分の気持ちに正直に生きれば良いんだよ。叔父さんはお前を信じている。お前自身が一生懸命に考えて出した結論なら、きっと間違いないだろう。私はいつもここにいてお前のゆく道を見守っているから、お前は自分の思ったように生きてみると良い。
　刹那、一陣の風が吹き渡り、周囲の樹々が一斉にざわめいた。何の鳥か知らねど、淋しげな啼き声を上げ、枝から飛び立ってゆく。