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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第11章 第一部第三話【月戀桜~つきこいざくら~】 疑惑
とはいえ、休業してからの栄佐は鍼医としての仕事も積極的にこなしていたし、普段の態度も取り立てて変わらなかった。だが、やはり大好きな芝居から離れているのは彼が考えていた以上に栄佐に影響を与えているようだ。昨年末から辺り、栄佐は眼に見えて沈み込むようになった。
栄佐にとって芝居をすることは呼吸するのに等しい行為だった。それを自ら決めたとはいえ、すっぱりと断ち切ってしまったのだから、相当に辛いには違いない。
栄佐にとって芝居をすることは呼吸するのに等しい行為だった。それを自ら決めたとはいえ、すっぱりと断ち切ってしまったのだから、相当に辛いには違いない。