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サイドストーリー
第19章 恋心あれば水心②
「新田さん。これ、先日の新田常務の出張精算。お願いします」
常務である父の秘書、武田さんが出張の精算を持って経理部まで来た。
武田さんはすごく綺麗な人で噂では40歳ぐらいなんだけど。
全然そんな風には見えない。
父も絶対的に信頼を寄せていて、父と私が父娘なのも知っている。
「はい。ありがとうございます」
「のぞみちゃん。たまには帰りに飲みに行かない?」
武田さんは私が入社した時からたまにこんなふうに誘ってくれる。
「わ。早く帰れるんですか?」
「うん。たまにはね」
「じゃぁ、今日、いつもの居酒屋で」
そんな風に待ち合わせをして、6時頃仕事を上がって武田さんと飲みに行った。
「のぞみちゃん、経管の山田くんと付き合ってるんですって?」
少し酔いが回ってきた頃、そんな話を持ち出された。
「秘書課でも、社内報が噂になってるんですか!」
「それもあるけど。ほら、山田くんたち三人は
新入社員研修を新田常務が担当したから」
「あぁ~」
「常務も未だに気にされているみたいだし」
「そういえば、経管の同期は三人なのになんで野口さんと山田さんだけが
ツートップって呼ばれてるんですか?」
「楠くんのこと?」
「はい」
武田さんクラスになると、彼らも「くん」なんだな。
そんなことを思ってちょっぴりおかしくなる。
常務である父の秘書、武田さんが出張の精算を持って経理部まで来た。
武田さんはすごく綺麗な人で噂では40歳ぐらいなんだけど。
全然そんな風には見えない。
父も絶対的に信頼を寄せていて、父と私が父娘なのも知っている。
「はい。ありがとうございます」
「のぞみちゃん。たまには帰りに飲みに行かない?」
武田さんは私が入社した時からたまにこんなふうに誘ってくれる。
「わ。早く帰れるんですか?」
「うん。たまにはね」
「じゃぁ、今日、いつもの居酒屋で」
そんな風に待ち合わせをして、6時頃仕事を上がって武田さんと飲みに行った。
「のぞみちゃん、経管の山田くんと付き合ってるんですって?」
少し酔いが回ってきた頃、そんな話を持ち出された。
「秘書課でも、社内報が噂になってるんですか!」
「それもあるけど。ほら、山田くんたち三人は
新入社員研修を新田常務が担当したから」
「あぁ~」
「常務も未だに気にされているみたいだし」
「そういえば、経管の同期は三人なのになんで野口さんと山田さんだけが
ツートップって呼ばれてるんですか?」
「楠くんのこと?」
「はい」
武田さんクラスになると、彼らも「くん」なんだな。
そんなことを思ってちょっぴりおかしくなる。